頭の中のサル

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サル いいため話
画像:http://publicdomainq.net

「うむ、それでは今日は『頭の中のサル』を飼いならす方法を教えるとしよう」

「え? サル、ですか・・・?」

戸惑う私に向かってヨーダはにっこり笑った。

「そうじゃ。ナツのようにいろんな考えに頭が満たされた状態をモンキーマインドという。

サルたちが頭の中でうるさく騒ぎまくっとるような状態じゃな。

雑念が頭を占拠しておると、脳は疲れやすくなる。

脳というのは人間のあらゆる臓器の中でも、膨大なエネルギーを消費する場所じゃからのう。

モンキーマインドを脱すれば、脳は本来の力をフルに発揮できるようになる。

集中力、判断力、読み書き計算のような処理能力、創造性・・・そういったものを高めることもできるんじゃ」

なるほど、いつも騒々しい私の頭の中には10匹くらいサルが住んでいそうだ。

いったいどうすれば、このサルをおとなしくさせられるのだろう。

いつもの瞑想を終えるとヨーダが静かに言った。

「自分がちょうど駅のプラットホームにいるところを想像してみなさい。

そこへ電車が入ってくる。

中に乗っているのは『考え』というサルの乗客たちじゃ。

電車はしばらくそこに停車するが、君はホームにそのまま留まる。

しばらくすると電車は去っていく、サルたちを乗せたままな。

次から次へといろんな電車がやってくるが、ナツの立ち位置は変えない。

ずっとホームじゃ」

この比喩に何の意味があるのだろう?

怪訝そうな私の表情を見て満足げに頷くと、ヨーダは続けた。

「つまり、大切なのは『考え』に対して傍観者であり続けることなんじゃよ。

いいか、人間というのは、あたかも『考え』を自分自身だと思いがちじゃ。

とはいえ本来、自分というのは容れ物にすぎん。

駅と電車を同一視するのがバカげとるように、自分と雑念を同じものとして見る必要はない。

自分の心は電車たちが行き交うプラットホーム。

どんなに雑多な種類の電車が入ってこようと、プラットホームは変わらない。

そういうイメージを獲得することで、まず自分自身の心をつねに片づけられた状態に保つんじゃ」

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世界のエリートがやっている最高の休息法

久賀谷 亮 著

ダイヤモンド社より