「瞬間油熱乾燥法」と名づけられた商品

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海辺 いいため話
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百福は、お湯をかけるだけでできるラーメンを作るために、あらかじめスープの味がしみ込んでいる麺を開発しようとしていました。

でも、麺に味をつけるにはどうすればいいのか。

麺に最初からスープを絡ませるとボソボソになる。

麺を蒸してからスープをかけると粘ついて乾燥しにくい。

これを解決してくれたのは、奥さんが揚げていた天ぷらでした。

冷めた天ぷらでも暖かいうどんに入れるとすぐにおいしく食べられます。

これがヒントになり、一度ゆでた麺を高熱の油に通してみようとひらめいたのです。

すると天ぷらのように水分が飛んで乾燥し、麺の表面にたくさんの穴ができます。

そこに熱湯を注ぐと、この穴から熱湯が吸収され、麺がゆでたての状態に戻るのではと。

さて、その通りにいくのでしょうか。

家族が集まって試食会です。

「おおおお。ホンマできとるでーー!」子どもたちが声を上げる。

そして、いざ試食。

「うまい!!!」

「これはよくできている」

しかし、奥さんの感想は・・・。

「味がよくわかりません・・・」

奥さんは泣いていました。

百福がどれほど情熱をかけてここまでこぎつけたのかよく知っていたから、嬉しすぎて味がよくわからなかったのです。

「お前のおかげだ」

百福は奥さんを抱きしめました。

この作り方は「瞬間油熱乾燥法」と名づけられ、インスタントラーメンの製法特許となります。

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奇跡の言葉

ひすいこたろう 著

SB Creativeより