
よく計画をたてて、その通りにやろうとする人がいる。
ぼくはちゃんとなんてできないに決まっているから最初から計画はたてない。
対談なんかでテーマが決まっていても、前もって考えることはあまりしない。
その場でほかの人の意見を聞いて、それに対する意見を述べる。
考えなんてしゃべっているうちに出てくるものだ。
普通は人生のコースでも目標を決めてそれに邁進しようとする。
夢を持つのはいいが、たとえば何歳で課長になり何歳で部長になり、定年になってから趣味をやるなんて決める。
あるいは何歳で結婚して何歳で子どもを持ち、何歳で家を買うと計画をたてる。
計画通りいけばいいが、計画通りにいくことなんてほとんどない。
あるいは途中で必ず迷いが生じる。
それであせったり絶望したりする。
だからその場その場で新しいことを考え、可能性をどんどん増やしたほうが、人生そのものが活性化する。
それに楽だ。
ついでにぼくはダメモト主義だ。
ぼくはわりと不器用でドジだから、自分のドジをあらかじめ組み込んで、ドジったときの防衛をする。
どうするかというと、できるだけ他人から期待される場所には出ないことにしている。
講演なんかでも得意な分野の話はなるべくしない。
期待されている分、ドジって期待を裏切ると悪いから、苦手な分野だったら、期待されていないから、ダメでもともと、うまくいくとほめられる。
しかし、それにはある程度の下調べをする。
だからぼくの関心も広がっていく。
これがぼくの生き方だ。
しかし、みんながぼくと同じ生き方をしたら気色悪い。
たぶんすぐに別の生き方にかえるね。
『人は一生に四回生まれ変わる』三笠書房
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