幼いときから勇気を養う

banner02
ブランコ いいため話
画像:http://gahag.net/

江戸時代に武士の心得について書かれた『葉隠』にも、責任感ある子どもに育てるための教えが書かれている。

「幼いときから勇気を養う。

仮にもおどしたり、だましたりしてはいけない。

強く?りつけると引っ込み思案になってしまう」

こうしてあらためて読んでみると、作法を身に着けさせる大前提として、「気骨の精神」を育てることや、人と積極的に接する力を持たせ、責任感を身につけさせることに重きがおかれていたことがわかる。

この考え方は十分、現代でも活用できるものだ。

美しい所作を身につけている、あるいは正しいことば遣いで話ができるとしても、強い精神力がなければ他者を慮(おもんぱか)る人になれるはずがない。

相手のこころに思いを届けられる人には、自己に偏(かたよ)ることのない精神が備わっていることが必要なのだ。

躾が身についていて、自然な身のこなしができる人は、こころが素直である。

なぜなら、周囲からたくさんの愛情を受けているから、こころが曲がっていないのだ。

ここで誤解してはならないのは、「甘やかすこと」と「愛情を与える」ことは異なる、という点だ。

愛情があるからこそ、助け舟を出さず、子どもに責任を持たせ、考えさせる。

辛いことも経験させる。

昔と比べて、親が子どもに関わることが多い現代においては難しいことだが、状況によって、このような態度を貫く義務が親にはある。

「可愛い子には旅をさせよ」というが、躾とは愛情をもとに、強いこころを養いながら、他者を慮る優しさを育むことなのである。

『武家の躾 子どもの礼儀作法』