
画用紙に描かれた4センチほどの灰色の象の絵に
目に触れるように近づけると、
見えるのは灰色だけです。
灰色が全世界になってしまいます。
その絵を徐々に目から離していきます。
絵と目の間に距離ができるようにします。
ふとあなたは、我に返ったように、不思議な感覚にとらわれます。
いままで灰色だけが広がっていたのに、
いまは、目の前の絵に広大な草原に立つ一頭の象が現れ、
象を取り巻く果てしない世界が広がっているのを理解して驚きます。
さらにその絵を部屋の片隅の壁に張りつけます。
すべてが灰色の象が小さな絵のごく小さな1部でしかないことに気づきます。
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出典
[絶対幸福の尺度]
鈴木 秀子 著
講談社より
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