フライヤー教授が実施した実験「教育生産関数」

banner02
教育 いいため話
画像:http://gahag.net/

フライヤー教授が実施した実験は、大きく分けると2種類ありました。

ひとつは、ニューヨークやシカゴで行われたもので、教育生産関数でいうところの「アウトプット」、すなわち学力テストや通知表の成績などをよくすることにご褒美を与えるというものです。

「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」は、こちらに該当します。

もう一つは、ダラス、ワシントンDC、ヒューストンで行われたもので、教育生産関数における「インプット」、すなわち本を読む、宿題を終える、学校にちゃんと出席する、制服を着るなどのことにご褒美を与えるというものです。

「本を一冊読んだらご褒美をあげます」は、こちらに該当します。

この2種類の実験のうち、子どもたちの学力を上げる効果があったのはどちらでしょうか。

インプットにご褒美を与えると、子どもたちは本を読んだり、宿題をしたりするようになるのでしょうが、必ずしも成績がよくなるとは限りません。

一方、アウトプットにご褒美を与えることは、より直接的に成績をよくすることを目標にしているのですから、直接的には、アウトプットにご褒美を与えるほうがうまくいきそうに思えます。

しかし、結果は逆でした。

学力テストの結果がよくなったのは、インプットにご褒美を与えられた子どもたちだったのです。

とくに、数あるインプットの中でも、本を読むことにご褒美を与えられた子どもたちの学力の上昇は顕著でした。

一方で、アウトプットにご褒美を与えられた子どもたちの学力は、意外にも、まったく改善しませんでした。

どちらの場合も、子どもたちは同じように喜び、ご褒美を獲得しようとやる気を見せたにもかかわらず。

_______

「学力の経済学」

中室 牧子 著

ディスカヴァーより