
興味や好奇心が湧かない作業に取りかかるのは、誰にとってもつらいことだ。
このような状態のときには、やる気ホルモンが分泌されていないので、「さっさと終わらせればいい」と頭ではわかっていても、身体が思うように動かないのも事実だ。
しかし、どんなに面白くない作業であっても、その作業を継続していくうちに、徐々にやる気と集中力が湧いてくる。
こうした現象を心理学者のクレペリンは「作業興奮」と名付けた。
何らかの行動を起こすことで、側座核が刺激を受ける。
すると、やる気ホルモンが分泌されやすくなるという構図だ。
こんな経験はないだろうか?
何となく机の上を整理しているうちに、いつの間にか興に乗り、引き出し、机回りなど一通り整理整頓してしまった……。
知らぬ間に興に乗って集中していく、面白くない作業に面白さが見えてくる、これが作業興奮である。
したがって、とにかく取りかかり、作業を一定時間継続することが重要。
「なんか集中できないな」「やめたいな」と思っても、すぐに休んだり、他のことに手をつけてはいけない。
どうしても作業を継続できない人は、四十五分、あるいは五十分と時間を定めて、その時間内には他の作業をしないようにする。
初めから無理をして、何時間も作業を継続しようとするとかえってうまくいかない。
一定時間集中する習慣が身についたならば、六十分、九十分と少しずつ継続する時間を延ばしていく。
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「超一流アスリートが実践している本番で結果を出す技術」
児玉光雄 著
文響社より
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