吉田松陰も影響を受けた「陽明学」問題が生じた時の考え方

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苦中楽あり。

苦しい中に楽しみがある。

苦楽というのは相対的なものだ。

苦あれば楽あり。楽あれば苦あり。

本当の楽しみというものは苦しみの中にある。

ただの楽しみなんていうものは、あるものではない。

とくに苦しみに通ずる楽しみが本物なんだ。

だから仕事をして、非常に苦しんで成功したという楽しみが一番本物だ。

学問でも、苦学して得た知識や悟道(ごどう)でなければ本当の学問ではない。

(略)

難しい問題と取組むほど頭が良くなる。

易しいことにばかり頭を使っておったらだめになる。

これは人間の体がそうだ。

何も体を鍛えることなしに乳母日傘(おんばひがさ)で育ったら、夏は冷房、冬は暖房で育ったりしたら、人間の体も頭もみんなだめになる。

うんと苦しめなければいけない。

難しい問題と取組まなければいけない。

そうすると頭はうんと良くなる。

人間社会のあらゆる勿体ない遊休施設(ゆうきゅうしせつ)の中で、頭くらい遊ばしてあるものはない。

苦中楽ありとは無限に意義のある言葉である。

引用:「陽明学のすすめ」
深澤賢治 著
明徳出版社