
体が食べ物を摂ることによって自然と成長するように、心も心の栄養を摂らなければ成長していきません。
特に人間には欲望というものがあります。
これは成長していくうえで必要なことではあるのですが、この欲望も含めて成長させていかなければいけないと私は思うのです。
つまりそれは、心を上にもっていくということ。
「心の下」とは、「生まれてから8歳ぐらいまでの心」です。
この頃は「我が、我がの世界」で自分の欲求を満たすことがいちばんになります。
だから赤ちゃんはおなかがすいたらギャーと泣く。でも成長したら、あなかがすいただけでギャーとは泣かなくなります。
また、赤ちゃんはうんちをしたくなったらその場でしますよね。
でも辛抱する心が育てばそうしなくなります。
嫌なことにはギャーと泣き、自分の欲求を満たすためだけの心の状態は「下」です。
心が下のままで成長してしまうと、人は自分勝手でわがままになってしまいます。
人が万物の霊長として生まれてくるのは、心の成長を遂げるためだと言っても過言ではありません。
人は生きていく中でさまざまなことを学びます。
その経験や体験の中から、心を下から中へ、そして上へと成長させていくのです。
そしてその経験や体験というのは、その人にとって必要なときに、必要なタイミングで現れます。
いわば、神様からの心の昇進試験みたいなものです。
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「魂の読書」
清水克衛 著
育鵬社より
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