
神様を呼び出すには電話番号がいる。それがマントラ、真言だ。
お地蔵さんのご真言は「オン カカカビサンマエイ ソワカ」サンスクリット語だと、とても分かりやすい。
「Om ha ha ha vismaye svaha」オーン ハ ハ ハ ヴィスマーイェー スヴァーハー。
ha-ha-ha・・・笑っている。笑う音が神様を呼び出す呪文になっているのだ。
お地蔵さんはある意味、最高の菩薩である。仏教ではお地蔵さんとは地の蔵、地下に住んでいる神様だ。
浮かばれずに黄泉の国にいるすべての者のために闇の世界に住まわれて、地獄のいちばん下のところにいる人を救ってくれる。
すべてのネガティビティーや魑魅魍魎(ちみもうりょう)からも救ってくれる。
日本の古神道には「笑いの行法」という技がある。
何分間も笑いつづけて健康や福を呼び込む方法だ。
神道の神様というのは基本的には笑っている神様なのだ。
笑いは不幸をはね飛ばす。笑って邪悪なものを外に出す。
鬼があなたにやってきたら、「ハッハッハッ!」と大きな声で笑う。これだけでなんとかなる行である。
アイブル・アイベスフェルトという動物行動学者が『プログラムされた人間』という本を著わしていて、その中に盲目の人の笑顔の写真がいくつか掲載されている。
驚くことは、その人たちすべてが生まれつき目の不自由な人たちだということ。
彼らは人が笑っている顔を見たことはないはずなのに、他人の笑顔となんら違いがない。彼らが盲目であるということさえ意識できない。
人は学習で笑いを獲得するのではない。ほかの動物は笑わないし、人間にいちばん近い哺乳類、サルでさえも笑わない。笑える生物は人間だけなのだ。
これは人間の本能には笑うことが組み込まれていることを意味している。
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この素晴らしき「気」の世界
清水義久 (語り)山崎佐弓 (聞き書き)
風雲舎
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