
≪神さま≫ いいか、この世は、勘違い合戦じゃ。みんながみんな、ただの勘違いをして生きておる。
ある人は、目の前の現実を「幸せ」だと勘違いした。ある人は「不幸」だと勘違いした。
それだけじゃ。「バラ」は解釈の数だけ現実を創り上げる、と言ったじゃないか。それなら、全てが勘違いじゃ。真実なんてない。
なにもない空間を見て、金持ちは勘違いしたのじゃ。「私は金持ちなんじゃないだろうか」と。すると、その勘違いを、現実という鏡が映し出し、金持ちになった。
どうせみんな勘違いヤローなら、「私は幸せである」と勘違いしたほうがよくないか?
≪みつろう≫ そうか、決まりきった1つの「現実」なんてないんだから、みんなただの勘違い合戦をしているだけなのか。
・・・いける!この勝負、もらった! 俺、めっちゃ得意なんですよ、勘違い。よく先輩に「お前は勘違いが激しいヤツだな」って褒められますもん!
≪神さま≫ そうじゃな、「褒められている」と勘違いできている時点で、優勝候補じゃな。先輩も、びっくりしていたことじゃろう・・・。
いいか、これから勘違い合戦で優勝するための方法をいっぱい教えてやるよ!
だからまずは、「なりたい」というおかしな言葉は、今すぐに忘れなさい。
この単語ごと、あなたの脳から消去しなさい。
この言葉が全ての元凶じゃ。もしも、今後、「なりたい」とあなたの口が言っている瞬間を目撃したら、すぐさま自分に聞きなさい。
「なんで、○○になりたいの?」と。
すぐに、本音が出てくるじゃろう。「○○じゃないからだ!」と。
人類よ、長い年月、まちがった願い方をしていたのは、ここでも、あなたたちのほうじゃないか。
「なりたい」という願いは今日かぎりで、全てを捨てなさい。
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神さまとのおしゃべり
さとうみつろう 著
WANIBOOKS
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