人望の法則

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水 いいため話
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古来から人間には、勘とか第6感、ヒラメキなど、なにやら非科学的でオカルトチックな能力があるとかないとか言われてきたが、この未来を思い通りに予知する能力の正体は、じつは扁桃核(へんとうかく)のジャッジによって芽生えた感情脳の「否定的あるいは肯定的なかも」である。

扁桃核が「快」を示したときには「できるかも、成功するかも」という「肯定的なかも」が脳内に発生し、扁桃核が「不快」を示したときには「できないかも、失敗するかも」という「否定的なかも」が発生する。

この予感の「かも」は、まだ明確なプラス思考でもマイナス思考でもなく、思考が形成され、概念化される前のファジーな「感じ」であるため、これまでの能力開発では見過ごされてきたが、このファジーな予感こそが未来を決めるというのが、本当のところである。

もちろん、当たる予感と当たらない予感があるが、不思議なことに、悪い予感ほど的中すると多くの人は考える。

しかし、悪い予感のほうが当たるのには、それなりの理由がある。

なぜなら、悪い予感は努力の必要がないからだ。

そもそも、「否定的なかも」につかまり、抜け出せなくなっている人たちの共通点を挙げるとすれば、うまくいかない原因を「自分のせいではない」と考えているということだろう。

悪い予感を抱く経営者はみな、自社の減収減益を「不況のせいだ」「円高のせいだ」「政府の無策が悪い」「社員が無能ばかりだから儲からない」と、自分以外の誰かの責任、すなわち「他責(たせき)」にしている。

じつは、これが現状を改革できない人間の特徴である。

考えてみれば、「能力のない部下のせいで、今月も売上が伸びなかった」などという発想は、要するに、その能力のない部下の方が自分よりも決定的な影響力を持っていると暗に認めているようなものだ。

つまり、自分はこの事態を改善できない、状況に太刀打ちできないと、無意識のうちにそう自覚している人間が、責任転嫁という守りに入るのである。

人が自分を守ろうとするのは、必ず「否定的なかも」が脳に羽ばたいているときだ。

だから、「この不況は絶好のチャンスだ」と思える経営者は、絶対に「不況のせい」とは言わない。

業績回復の肯定的なイメージを抱く社長は、いまの不振を社員の責任に帰することなど、万に一つもあり得ない。

すなわち、扁桃核が「不快」になっている他責型の人間は、誰かを責めたり、何かを批判したりしながら悪いイメージを反復し、望ましくない未来の「かも」に完全に支配されてしまう。

かくして、悪い予感は見事に的中し、ツキも人望もない無能な人間が出来上がるというわけだ。

一方の良い予感が実現するには、何らかの努力が必要となる。

脳に「肯定的な予感」「肯定的なかも」がある人間は、どんな困難な状況に置かれても、「これは自分の責任だ」「この問題は私に与えられた試練だ」と考えられる「自責(じせき)」のメンタリティをもっている。

だから、どんな困難な状況に置かれても、ウキウキワクワクし続け、最後にはとんでもなく大きな夢を実現してしまうのだ。

『人望の法則』日本経営合理化協会