器の中に「からっぽ」の空間があるからこそ

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器 いいため話
画像:http://publicdomainq.net

馬車の車輪は、三〇本のスポークが車軸から出て輪になっている。

中央の車軸を通す穴、「空間」があるからこそ、車輪は車輪として働くことができる。

粘土をこねて器を作るとしよう。

器の中に「からっぽ」の空間があるからこそ、そこに物を入れるという役割が生まれる。

家を建てる様子を思い出してみよう。

壁に戸や窓の穴を開け、その奥に空間を作る。

そこに「からっぽ」の空間があるからこそ、部屋としての用途が生まれる。

そこが物で溢れていたら、部屋として使い物にならない。

人は、形あるものばかりに囚われがちになるけど、すべての「形有るもの」が役に立つのは、「形無き空間」が、それを支えているからなんだ。

そもそも「空間」のないところには、何も存在することができない。

君の心も、部屋と同じようなものなんだ。

心の中が「自分の解釈」でパンパンになっていたら、他者の気持ちなど入りようがない。

やれ知識だ教養だといって積み上げてきた、その「知っている」というお荷物によって、ますます心は狭くなり、他を受け入れる許容性を失ってしまう。

心をからっぽにすることで、そこに「ゆとり」や「受容(愛)」という、僕たちに本来備わっている働きが活かされてくるんだ。

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ラブ、安堵、ピース

黒澤 一樹 著

アウルズ・エージェンシー