タダ働きが大きなリターンになるの!?

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タダ働き いいため話
画像:http://gahag.net/

設計の仕事をしている光君が初めて中谷塾に来た時に、僕は、

「『悪いけど、明日の朝までにこの企画書を出してほしい』という急な依頼が来ました。徹夜でその仕事をして持っていくと、『ゴメン、ちょっと方向が変わって要らなくなった』と言われます。この時、あなたはどうしますか」

という問題を出しました。

実際、これは社会ではよくあることです。

理系の光君は「一晩仕事をした分の企画書代は請求します。それが普通でしょう」と言いました。

デジタル的には、そのとおりです。

アナログ的には、将来の利益がなくなります。

そこでギャラを受け取ったら、次の仕事は来ません。

一生のチャンスを、ここで失うことになります。

僕も広告代理店で、さんざん鍛えられました。

その時に「よくあることですよ。可能性が0.1%でもある時に、いつでも声をかけてください。一緒にやりましょう」と言うことで、相手もまたその人に頼みやすくなります。

不機嫌そうに「今度は可能性が高い時に声をかけてください」と言われたら、次に頼めなくなります。

相手に決定権があるわけではありません。

編集長ですら、決定権はありません。

「あなたは編集長でしょう。あなたがここでOKと言ったことが翌日覆(くつがえ)るのですか。こっちはもう書き始めていたのに」と言われると、その人に次から頼みにくくなるのです。

たとえ無料の仕事でも、感じよくしておいたほうがいいのです。

あなたが今、靴屋さんで働いているとします。

お客様が来て、いろいろためし履きをしました。

あたなは、奥の倉庫から、汗をかきながら10足ぐらい出してきます。

それなのに、お客様に「今度にします」と言われるのです。

あなたが「はあ」とため息をついたら、ここでチャンスがなくなります。

感じよく「またいろいろ履きに来てください」と言うことで、お客様は「次もこの人に頼もう」と思います。

これが商売です。

1つの出来事で、「このお客様は完全に最初から買うつもりはなかった」と考えないほうがいいのです。

ここでイラっとするのは、売上げが立たなかったからではありません。

「自分は見くだされた」「バカにされた」という気持ちが大きいからです。

仕事そのものよりも劣等感でエネルギーを消耗していくのです。

『メンタルが強くなる60のルーティン』

中谷彰宏 著

PHP研究所