
アメリカのある会社で行った実験です。
1日の労働成果に対する報酬として「現金」「上司からめったにもらえないほめ言葉」「ピザの無料クーポン券」の3つを提示したところ、社員のモチベーションが最も上がったのはピザ、2位は僅差でほめ言葉だったそうです。
イスラエルの工場でも同じような実験を行なったところ、アメリカの会社と同じ結果が出ています。
実験の初日が終わったときに、従業員のやる気を最も引き出したのは「ピザ」。
次は、上司からの「よくやった」というメール。
最下位は、やはりボーナスで、お金が一番やる気を引き出さなかったということになります。
しかも数日後には、さらに意外な結果が待っていました。
報酬として現金ボーナスを提示されたグループは、ピザ・ほめ言葉のグループに比べて13.2%も生産性が落ちたというのです。
現金の金額は30ドル。日本円で3000円未満ではありますが、臨時収入は金額によらずうれしいものです。
しかし、その効果は一時的でしかないことがこの実験でも証明されています。
好きな食べ物をプレゼントされたり、上司から感謝されたりするのは、人から与えられるという点では外発的です。
しかし、ここで注目してほしいのは、「好きなもの」や「感謝」は、「お金」よりもやる気を引き出すということです。
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「与える人」が成果を得る
辻 秀一 著
ワニブックス
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