
「私だけが持っている」ことに喜びを感じるのは、品のない考え方です。
みんなで共有しようとするのが、品のある考え方です。
「共有」ではなく「占有」の考え方になると、ヤキモチをやきます。
ひとり占めして自分だけが得をしようとするのは、品のない行為です。
品は、共有しようとすることです。
「この会社はオレのものだ」と思っている経営者は、会社を社員と共有している意識がありません。
こういう人は、品のない社長、品のないリーダーになります。
「MY」ではなく「OUR」の考え方が、品になるのです。
自分とまわりを切り離して考えないことです。
「OUR」の考え方では、自分に利益が入らなくても、社員に利益が入ったら、それは自分に利益が入ったのと同じことになるのです。
銀行強盗は、お金の分配で仲間割れが起こることでしくじります。
リーダーの取り分が一番多い強盗団は、裏切りが起こります。
捕まらないのは、均等配分で文句が起きない強盗団です。
捜査する警察も巧妙で、3億円強奪されたら、新聞には「4億円強奪された」と発表します。
「3億円と聞いたけど、4億円あったんじゃないか。自分の取り分が少ない」と、仲間割れをさせるためです。
「警察のウソの情報に惑わされるな」と言った時に、信用してもらえるリーダーかどうかで分かれるのです。
奪い合うと、減ります。分かち合うと、増えます。
奪おうとすると、奪おうとする人を引き寄せます。
分かち合おうとすると、分かち合おうとする人を引き寄せるのです。
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品のある稼ぎ方・使い方
中谷彰宏 著
ぱる出版
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