
人の弱点に不用意にふれないこと。
これは人と人との関係で心しておきたいことだ。
人は誰でもウィークポイントを持っている。
劣等感もある。
恥ずかしい過去や、ふれられたくない部分もある。
しばらくつきあっているうちに、
どんなことに弱みがあるのか、わかってくるだろう。
ここがわからない人は、
残念ながら人との関係がうまくいかない。
知らずにふれてしまうこともあるが、
わかってきたらなるべくふれないようにするのが思いやりだ。
人の弱みを知ると、わざわざそこをちくちくと責める人をたまにみかけるが、
これほど品位のないこともない。
見ていて気分が悪くなる。
また、人が劣等感を持つ部分を「鍛えてやろう」といわんばかりの態度で、
わざと人前で取り上げる人もいる。
よほど人を指導する力を持った人ならともかく、
たいていは、体のいい「いじめ」ではないか。
「あぁ、この人はこういうことにイヤな思い出があるのだな」と
気づけば、その人といっしょにいるときには、その話題を避ける。
知らない人がそちらの話題へ持っていきそうになったら、
さりげなく話題を転換する。
そういう思いやりを持ちたい。
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出典
[人から「大切にされる人」されない人]
斎藤 茂太 著
新講社 より
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