
わたしたちは相手の意図を知らなくても、
それを知っていると思いこむ。
さらに悪いことに、わたしたちは人の意図がよくわからないにもかかわらず、
それを往々にして、悪いものだと決めつけてしまう。
実のところ人の意図は目に見えない。
わたしたちは相手のふるまいからその意図を想定する。
言い換えれば、相手の意図をこちらでつくりだすのだ。
しかし、相手の意図についてわたしたちがつくり出したストーリーは、
自分で考えるよりもはるかに不正確であることが多い。
なぜか?
人の意図とは、複雑なものだからだ。
人はときに複数の意図をもって、あるいはなんの意図もなく少なくともわたしたちと関係ある意図は何もなしに、行動する。
そして善意から行動したにもかかわらず、
ときに、私たちを傷つけたりもする。
相手の意図にたいするわたしたちの見方
(あるいはわたしたちの意図に対する相手の見方)は、
重要なもので、根拠のない思い込みに走るのは
大きな失敗を招きかねない。
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出典
[言いにくいことをうまく伝える会話術]
ダグラス ストーン, シーラ ヒーン, ブルース パットン 著
草思社 より
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