
いま、「受けいれる」という言葉が、僕にとって大きな世界なんだ。
今日みたいに雨が降っても「雨が降って残念だな」というんじゃなく「まあいいや」という態度だな。
「受けいれる」は英語で「アクセプト(accept)」だ。
この「セプト」というのは「身ごもる」という意味、お腹に入れるという意味なんです。
「受けとる」というのは、単に「受けて取る」ということで、これは受動的。
相手に「お返ししなくちゃ」ってなる。
けれど、「受けいれた」ものは、くれた人に返さない。
その場でお返しできるようなものでもない。
受けいれたあと、自分の深いところから出たものを、今度は別の人にあげるんだ。
(中略)
でも僕は、仙人みたいなことを言うつもりはないよ。
ただ、受けいれると自由になるんです。
今日みたいに雨だったら「ちぇっ」ってなるでしょ?
好きな人に冷たくされたら「ちぇっ」ってなるじゃない?
あれは、求めているからであって、「雨でもいい、僕が楽しければ」、「相手が嫌いでもいい、俺のほうが好きなんだから」と思えれば、自由なんだよ。
_______
「アー・ユー・フリー?」
加島祥造 著
小学館より
![]() |