渡辺和子 人と出会い、お互いに影響を与え合っているもの

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影響し合う いいため話
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私の好きな祈りの中に

「あなたと会ったがゆえに、だれもが、いままでより不親切になることがないように。

あなたと会ったがゆえに、ノーブルな心を失うことがないように。

あなたと会ったがゆえに、いままでより、いやしい人となることがないように。

あなたと会ったがゆえに、いままでよりも、より親切に、より気高い、より人間らしい人となるような、そういう人にならせてください」

というのがあります。

私どもは、出会いということばをよく使いますが、ある意味では絶えずお互い同士、影響を与え合っているものだと思います。

その意味で学生と会う時、皆さまがご指導になる青少年とお会いになる時、ああ、また来たか、ああ、また同じ問題を持ってきたか、そういう考えではなくて、まるでこの人がはじめて自分に会いに来て、たった一度しかこの人と会えなくて、もうこれをかぎりに合わないのだという、そんな気持ちで接すること。

いつも、最初で最後で唯一の出会いであるかのように人と会うことが、対話する心の重要な条件だと思います。

それはことばをかえて申しますと、絶えず、新しく人と会うことでございます。

人間というものは死ぬまで成長してゆかねばなりません。

その意味で、きのうの私よりも、きょうの私、きょうの私よりも、あしたの私は、なるべく自分のあるべき姿に、一歩でも、一日分でも近づいていなければいけないのだと思います。

『スミレのように踏まれて香る』

渡辺和子 著

朝日文庫