
子育てにしても、みんな失敗するのは執着があり過ぎるからです。
「子どもは私とは別な人間です。私は預かっているのです」という感じでいいでしょう?
人間様ですからね、けっこう気をつけて、ていねいに面倒を見なくてはいけません。
悪いことをしてしつけるときでも、「別の人間である。私のものではない」と思えれば、けっこううまく教えることができます。
別の人間として、「ああ、この子は頭が良さそうだな」「この子はこちらに能力がありそうだな」などと、よく見えてきます。
それがわかれば、いとも簡単に導けるでしょう。
親子の対立は起きません。
親子の対立は、親が子を所有物だと思った瞬間に起こります。
いくつになっても子どもは親と親しくしたいものです。
私の親はもう生きていませんが、生きていたら、今でもかわいがってほしいです。
しかし、親がああしなさい、こうしなさいと命令すると、腹が立つものです。
「私のことは、私の勝手にやります」という気になります。
だからといって、怒られたくはないのです。
そのあたりは、無執着世界ならうまくいきます。
できるだけ執着少なく生きると、生きる苦しみはかなり減ります。
引用:「苦の見方」
アルボムッレ・スマナサーラ 著
サンガ新書
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