「気の使い方」がうまい人

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コミュニケーション いいため話
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小さな子供に話しかけるとき、立ったまま見下ろすような姿勢でしたのでは、きちんとしたコミュニケーションは成立しない。

一方的に上から下へという威圧感が、子供を無意識のうちに押さえつけているからである。

コミュニケーションは対等の足場に立ってのみ可能である、という原則が忘れられている。

まず、物理的に対等な状態をつくり出さなくてはならない。

すなわち、子供に対しては膝を折って姿勢を低くして、目線の高さを同じにするのである。

そうすると、子供に対する気持ちの持ち方も、自然に謙虚なものになる。

物理的に対等なかたちをつくれば、精神的にも対等な心理状態になれるのである。

子供に対しても、友人に対するがごとくに話すことができるようになる。

そのような状況に対しては、子供は敏感に反応する。

威圧的な大人ではなく、自分よりは経験深い人生の先輩が、自分のことも考えてくれながら自分に話しかけてくれていると感じる。

好意を持って、大人のいうことを聞こうとする姿勢になるのである。

子供に限らず大人に対する場合でも、例えば車椅子の人と話をするときは、やはりしゃがんでからにする必要がある。

講義や講演をするときは、講師は一段と高くなった壇上から話すことが多い。

もちろん昔から顔が見えるようにという配慮もある。

しかし、押しつける話ではなく、人の心に訴えかける話をする場合は、講師の目線が学生や聴衆のとできるだけ同じ高さになるように配慮する。

そのほうが、話の内容が聞く人の頭の中にスムーズに入っていく。

それだけ理解の度合いが高まる。

人に対する場合は常に謙虚にという心掛けが重要なことは、誰でも知っている。

高ぶることを戒め、身を低くする心構えである。

しかし、物理的に身を低くすることは、意外に忘れがちな点である。

平身低頭はいきすぎであるが、身も頭も相手と同じ高さに保って話をする「並身低頭」を肝に銘じる。

そこから優しい人柄が滲(にじ)み出してくる。

『「気の使い方」がうまい人』三笠書房