
「聞く力」と同様、「質問力」も大切です。
十八世紀を生きたフランスの哲学者ヴォルテールは、「答ではなく、むしろ問いによって人を判断すべきである」という言葉を残しています。
言い換えれば、「いい質問ができるかどうかで、その人の能力が判断できますよ」ということです。
たしかに、会話の中で上手に質問できる人は、とても博識です。
そもそも、適切な質問ができるということは、それだけ知識が豊富であることを意味します。また、気配りも上手です。
だから、会話を続けているうちに、いつの間にか主導権を握り、みんなの信頼を獲得していくのです。
そういう意味では、ぜひ「質問上手」になりたいものです。
誰かと会話しているとき、もちろん相手の話を黙って聞く姿勢も大切です。しかし、あまりにも無反応では会話も弾みませんし、話している人との距離を縮めることもできません。
何の質問もしないで聞いているばかりの相手だと、「この話に興味がないのかな」とか「私が言っていることをわかっているのかな」と不安になります。
ましてや上の空で聞いているような人に対しては、なんだか話をすること自体が無意味でバカバカしいことに思えてくるでしょう。
相手をそんな気持ちにさせないためには、上手にあいづちを打ったり、ときには身を乗り出して、「一生懸命に聞いているんですよ」というシグナルを発したりすることが必要です。
相手の話をしっかり聞いていればこそ、質問も出てくるものです。
また、話しているほうにすれば、質問してもらえてこそ、「興味を持って聞いてくれているんだな」と感じ、さらに話に熱が入るというものです。
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「また会いたい」と思われる人
鹿島しのぶ 著
三笠書房
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