ほどよく距離があるとき

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距離 いいため話
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ほどよく距離があるとき、人は不思議とやさしくなれるものです。

誰かと関わるとき、その対象との距離感をはかりながら、もっと近づきたいと押しすぎたり、自分なんてと引きすぎたり、ときに間違い、修正しながら人間関係を織りなしていく。

人生とは、その時々で誰かとのちょうどいい距離を見つける作業の連続です。

人生をある程度長い期間生きたなら、もっとも心地いい距離を自分で見つけられる人間でいたいものです。

それが私が思う、成熟した大人のイメージです。

私がご提案したいと思うのは、ほどよく距離を置くという心がけ。

それは、自分の夫や妻、子どもや、嫁、婿に対して。

そしてご近所さんや、長年の友人に対しても。

自分が思っているよりももう半歩だけ、ちょっと距離を置いてみると、いつもより少し、やさしい自分になれるような気がするのです。

近すぎる糸は、もつれます。

多くの人間関係のからまりは、距離が近すぎるがゆえに起きるもの。

私はこれまでの60年余りの弁護士人生で、ありとあらゆる人間関係の「もつれた糸」の交通整理をしてきました。

正しく引っ張りさえすれば簡単にほどける糸、かたい結び目になってしまった糸…。

そのもつれ具合はさまざまですが、からまった糸の中にいるかぎりは、ほどくすべが見つかりません。

でも、からまった場所から一歩引いて、外からそれを見ることができたら、解決の糸口が見つかります。

つまり、自分の身に起きている問題や悩みごとと、ほどよく距離を置くことができたなら、物事は解決に向かう。

「法」という潤滑油を用いて、かたい結び目に見えた糸のもつれをほぐしながら、多くの方の人生の転機にも立ち会わせていただいたことは、私にとって大きな学びとなりました。

『ほどよく距離を置きなさい』サンマーク出版