
人から期待され、信頼されるのはいい。
しかし、それに応えようとするばかりに、
自分を殺してまで…ということになると、
もっとも大切であるべき自分が失われかねないことになる。
心の病のひとつに「過剰適応」というものがある。
これは、あまりに周囲に自分を合わせようとするために、
本来の自分を失い、ついには心のバランスを崩してしまうものだが、
常に期待される立場の人は、この危険を抱えているといってよい。
人は勝手に人を信頼し、期待し求める。
これにいつも完璧に応えようとなどと思ったら、身体がいくつあっても足りない。
だから、期待される立場にある人ほど、
自分自身の価値観をしっかり持っていなくてはならないことになる。
ときには人の期待をも平気で無視するくらいのタフな心が必要とされるのだ。
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出典
[人から「求められる人」の共通点]
斎藤 茂太 著
新講社 より
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