
話し上手になるには、2つの守るべき鉄則がある。
「相手に興味を示す」ということと「自分のことを素直に語る」ということだ。
【鉄則1】相手に興味を示す
これは、話し相手に、心から興味を持つという意味である。
CNNの私のトーク番組『ラリー・キング・ライブ』を見れば、私がゲストに関心を持っているということを、すぐに感じるはずだ。
私は必ずゲストの目を見て話すようにしている。
そして、ゲストに向かって身を乗り出して、彼ら自身についての質問をする。
番組に招いたゲストには、敬意を持って接するのが私のポリシーだ。
それは相手が、大統領であれ、殿堂入りのアスリートであれ、『マペット・ショー』のカーミットとミス・ビギーであれ、変わりはない。
どんな人も、豊富な知識があって、話したくてたまらないテーマをひとつぐらいは持っている。
話をしている時には、相手の知識に対して敬意を示そう。
相手に「この人は私の話に興味がないんだな」とか、「まったく敬意を払ってくれない」などと思われてしまっては、会話がうまくいくはずがない。
話している相手が自分に敬意を払っているかどうかは、必ずわかるものだ。
あなたの敬意を感じれば、相手も熱心にあなたの話に耳を傾けるはずだ。
【鉄則2】自分のことを素直に伝える
これは話している相手に素直な態度で向き合う、という意味である。
私が初めてラジオに出演した時は、緊張していることをリスナーに打ち明けた。
「己の欲するところを人に施せ」という黄金律は、会話にも当てはまる。
相手に正直に話してほしいと思うなら、あなたも相手に対してそのように話すべきだ。
あなたが相手から聞きたいことは、あなた自身も積極的に相手に話すべきである。
自分の経歴や好き嫌いについて話すのは、会話におけるギブ&テイクである。
私たちはそうやってお互いのことを知っていくのだ。
私と数分でも話をしたことがあるなら、私がブルックリン出身だということと、ユダヤ人だということを知っているはずだ。
なぜか?
それは、私は知り合った人には必ず、「自分の生い立ちの話」をするからである。
それが私という人間を構成する核だからだ。
仮に、私が吃音(きつおん)症だったら、私はそのことを相手に伝えるだろう。
これで、自分の状況を素直に伝えたことになる。
素直に伝えると、自分をよく見せる必要がなくなる。
そうして初めて、自由に会話を楽しめるようになるのだ。
相手の敬意を勝ち取ることもできる。
『伝え方の極意』ディスカヴァー
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