
ある都心のコンビニエンスストアに有名な凄腕店長がいます。
その店の店長は中国出身の生粋の中国人です。
そして、この店のスタッフはバングラデシュ、パキスタン、ミャンマー、中国の留学生で占めています。
ちなみに、彼の前の店長は日本人でした。
やり手だったようですが、この多様性あふれるスタッフをやる気にさせることができずに、ついにはお店の業績を低迷させてしまったのです。
そんな厳しい局面に後任として赴任したのが、この中国人店長のラーさん。
ラーさんは的確に指示を出し、誰よりも大きな声で挨拶をすることでスタッフのやる気に火をつけようと考えました。
いつもなら、この方法でうまくいっていました。
しかし、まったくスタッフのやる気は高まりません。
ラーさんは追い込まれてしまいました。
ここでちょっと考えてみましょう。
あなたがラーさんならどうしますか?
ラーさんの答えはこうでした。
全員を自宅に招いて鍋パーティーをしたのです。
そして、職場でも可能な限り雑談をするようにしました。
異性の話や好きなタレントの話、休日の過ごし方など、仕事には関係ない話ばかりです。
ラーさんはそのことを、「自分からスタッフ(部下)のところに降りていく」と表現します。
昇るのは大変ですが、降りるだけなら、特別な資質は不要です。
その結果はすぐに出ました。
スタッフに笑顔が増え、やる気も高まり、今では有数の優良店にまでV字回復しています。
引用:強いチームをつくる!リーダーの心得
伊庭正康 著
明日香出版社
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