日本には「包む」文化がある

包む文化

結婚式やお祝い事でご祝儀を渡すときには、きれいな祝儀袋に包みますし、たとえお稽古事の月謝でも封筒に入れて差し出すものです。

お札をむき出しのまま手渡すことはありません。

同じように贈答品もきれいな紙で包んでのしをつけ、さらに風呂敷で丁寧に包んで持参します。

日本には「包む」文化があり、中のものが美しく大切なものであることを相手に伝えます。

この大切なものを包む、隠す文化は、己の感情を表に出さない日本人の美徳にも通じ、「つつしみ」という言葉にもつながっています。

慎みとは、決して出しゃばることなく、控えめで、軽はずみな言動をしない姿勢です。

言葉も同じで、目上の人には尊敬語や謙譲語を使うことで、自分を慎み、相手を敬う気持ちをきちんと伝えることができるのです。

そして、目に見えぬ尊いものに対して、敬いの心を持つ、それが本来の慎みの意味です。

宗教は英語で「religion」といいますが、この言葉には慎みという意味が含まれています。

「religion」はラテン語の「religio」から派生したもので、紀元前は超自然的な事物に対する畏怖や不安の感情を表していました。

これは神道の神髄である、神々に畏敬の念を持つことに通じます。

中世になると「religio」は、修道院の生活を意味し、必要最低限のもので心穏やかに神々に祈る生活を指すようになります。

まさに、慎ましい生活です。

さらには、慎みという言葉は、「他人を思う」「愛情を持って大事に扱う」という意味の「いつくしむ」という言葉にも通じています。

心に余裕がないときには自分のことばかり気にしがちですが、慎みの気持ちがあれば周囲を慮ることができます。

まず自分から相手に心を砕くと、やがて、心と心が通じ合うようになるものです。

《慎み深い姿勢は、品性を醸(かも)す》…礼節があり、謙虚で、相手を優先できる人には品性が備わる。

『神様が教えてくれた幸運の習慣』幻冬舎