
ジェリー・ミンチントン氏の心に響く言葉より…
わたしたちはみな、「みんなと同じようにしなさい」と言われながら育ってきました。
まわりに合わせて、外れてしまわないようにと。
なぜなら、そのほうが「安心」だから。
多くの人は、自分と似た人といっしょにいると居心地がいいものです。
ですから、周囲とあまりにも違っている人は、批判や攻撃にさらされやすい。
親は、そのことをよく知っていますから、わが子の「安全」のために、みんなと同じようにしていなさいと子どもに言うのです。
そして、自分たちも安心します。
教師にとってはなおさらです。
自分とあまりにも違う子どもは理解できないし、もしすべての子どもが一人ひとり違っていたら指導はとてもたいへんなものになります。
つまり、みんなと同じでいることは、大人たちの利便性と安心のためなのです。
さらに、そうした大人たちの様子を敏感に察した子どもたちは、少しでも自分たちと違う子が周囲にいると攻撃します。
つまり、いじめます。
自分にはしたくてもできないことをしているから。
たしかに、人と違っていることによるデメリットはたくさんあります。
けれども、アメリカの思想家、ラルフ・ウォルド・エマソンの言葉をここで紹介する必要もあるでしょう。
「人間は周囲の人に合わせることによって
いかに多くのものを失うかを考えなければならない」
失うもののひとつは、たとえば、自尊心です。
自分の行動の決定権を周りに委(ゆだ)ねるような生き方は、確実に、人の自尊心を損ないます。
では、自分らしさを大切にするために、どんなことができるのでしょうか。
間違えてはいけないのは、わざと人と違うことをするのではない、ということ。
そうではなくて、ただ、次の四つのことを行います。
㈰考え方 できるだけ自分の考えに従いましょう。
㈪決定 自分の経験と知識をもとに決定をくだします。
㈫行動 周囲の人がするから自分もするというのは賢い態度ではありません。
㈬ライフスタイル 既成概念にとらわれるのではなく、あくまでも自分の判断に従いましょう。
自分らしさを大切にすることもまた、失うものと手にするものがあります。
それらを比較して、自分の行動を自分で選んでください。
『あなたがなりうる最高のあなたになる方法』
ジェリー・ミンチントン 著
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