
「次の四種は敵であって、友に似たものにすぎない、と知るべきである。すなわち、㈰何ものでも取って行く人、㈪ことばだけの人、㈫甘言を語る人、㈬遊蕩(ゆうとう)の仲間は敵であって、友に似たものにすぎない、と知るべきである」
人に与えるときは少ないのに、もらうときはできるだけ多く得ようとしたり、自分の利益のみを追求するような人は、確かに「友」ではありません。
おべんちゃらを言って取り入る人、ことが目の前にせまると急に都合が悪いと逃げる人、陰で悪口を言う人も同様です。
遊蕩の仲間が「友」でないことはもちろんです。
お釈迦さまは、心のこもった「友」について、このようにおっしゃっています。
「これらの四種類の友人は親友であると知るべきである。すなわち、㈰助けてくれる友、㈪苦しいときも楽しいときも一様に友である人、㈫ためを思って話してくれる友、㈬同情してくれる友は親友であると知るべきである」
元気がないときに何かと面倒をみてくれ、困ったときに助けてくれる人は親友です。
楽しいときだけの友ならいっぱいいますが、つらいときにも一緒にいてくれる友は多くはありません。
また、悪い道に入らないように忠告したり、新しい情報を教えてくれたりするのも、落ち目になったときに心配し、上り調子になったときには共によろこび、人が悪口を言ったら弁護してくれるのも親友です。
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「すべてを味方 すべてが味方」
小林正観 著
三笠書房より
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