塩沼亮潤 社会で生きていくためには、必ずどこかで誰かにささえられて生活ができます

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支え合い いいため話
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日曜日の夕方になると「どうして働かなければならないのだろう?」と口にする人がいます。

そもそも仕事とは「お仕(つか)えする事」と書くように、誰かに喜びを与えることであり、社会での役割分担そのものです。

その対価として報酬をいただき、それで各自が生計を立てる。

仕事は社会という大きなしくみを維持するための大切な要(かなめ)です。

仕事で大切にしたいことが三つあります。

一つ目は「おかげさま」という気持ちを持つこと。

生きるということは誰かと関わることです。

人間は決して一人で生きていくことはできません。

社会で生きていくためには、必ずどこかで誰かにささえられて生活ができます。

そして仕事を通じて、自分が誰かをささえ喜んでいただき、お給料をいただくことができます。

それによってご飯を食べることができ、着るものや住む場所を得ることができます。

まさに仕事を通じたさまざまな人間関係や経験のなかから人間性を豊かにし、成長するわけです。

二つ目は「繰り返す」こと。

縁のあった人や仕事と心から向き合い、お互いに成長することです。

例えば、ある部下が一人前になるためには、何度も繰り返して教えなければなりません。

また、教えを受ける側も同じ過ちをしないように、決められたことを決められたように、毎日繰り返し、精一杯努力しなければなりません。

お釈迦さまはこう説かれました。

「同じことを同じように情熱を持って繰り返すことで、やがて見えてくることがある」

仕事も修行も同じプロセスをたどるのです。

三つ目は、「進化する」こと。

進化とはクオリティを下げずに一日一ミリでもレベルアップしようとする心です。

お寺に入った初日、私は先輩にこんなことを言われました。

「いいか亮潤君、お寺での修行というのはやな、朝のお勤めよりも夜のお勤め、昨日より今日、今日より明日というふうに、いつでも『過去最高のお勤め』という感じで、毎日、全力で修行に励むんやぞ」

全く進化しようとしない仕事も仕事なら、一日にたった一ミリだけでも進化しようと精一杯努力する仕事も仕事です。

表面上は同じ仕事に見えますが、たった一ミリでも成長すれば、一年後には三六五ミリも前進しています。

この心構えにどんな意味、意義があるのかを後ろ姿で教えるのは先輩の義務、また、教わったことを素直にそして謙虚に受け、一日も早く成長しようと心がけるのは後輩の義務です。

『縁は苦となる 苦は縁となる』

塩沼亮潤 著

幻冬舎