「幸せをお金で買う」5つの授業

幸せとお金

『「幸せをお金で買う」5つの授業』(エリザベス・ダン・マイケル・ノートン著/中径出版)という本があります。

その中では、幸福感が得られるお金の使い方のポイントは、次の5つだとしています。

1. モノより「経験」を買う

2. ご褒美にする

3. 時間を買う

4. 先に支払って、あとで消費する(おあずけ)

5. 他人に投資する

これには私も大いに共感するのですが、実のところ私の原則はもっとシンプルで1つだけです。

「人との絆(きずな)を結ぶ物語にだけお金を使う」

簡単に言ってしまえば、人間関係にお金を使う、ということです。

逆に言えば、それ以外の、単純に資産を増やすだけだったり、リスクを分散するだけだったり、家族を守るだけだったり、自分が得するためだけだったり、身内を儲けさせるだけのことには、できるだけお金を使わないということ。

モノを持つとか、殖やすとか、ブランド品を集めるとかを含めて、自己増殖のためにお金を使うのではないといういうことです。

かといって、何に使われるかわからない(最後の到達点が見えない)団体に寄付するのでもなく、ひたすら「人との絆」にお金を使い続ける。

どうして“人との絆を結ぶ物語”にお金を使うべきなのか、そして、なぜ絆が重要なのか、ということ。

それは、絆の獲得が自らの居場所=コミュニティにつながっていくからです。

本当の絆を獲得するために、お金を使う。

自分の居場所を見つけ、参加できるコミュニティを獲得するためにお金を使う。

そこで楽しく話をすることができる共通のテーマや言葉、知恵や技術、そして対人関係スキルを手に入れるためです。

安心して付き合えて、一緒にいれば心地良くなれる仲間を得る。

思いや美学を共有し、一緒に汗をかく。

そういう場所をいくつも持っている人が“中規模に継続する幸福感”をゲットします。

そうすれば、人生の賞味期限も、より長くなる。

巨万の富を持っている人よりも、実は、多様なコミュニティを持っている人こそ、はるかに幸せなのではないでしょうか。

では、孤独感を和らげ、絆を深めるお金の使い方とはどういうものでしょうか。

それは、自分を自立させるためのお金の使いかただと私は考えています。

複雑に絡み合った情報社会に翻弄される浮き草のような存在にならずに、自分はどういう人間なのか、ちゃんと際立たせるお金の使いかたです。

極めてシンプルに言えば、自分を「レアな存在にする」こと。

「みんな一緒」ではなく、成熟社会の原則に従って「それぞれ一人ひとり」が人と違うことをするのです。

「おお、この人はこういう人なのか」と記憶に残るお金の使い方を。

人に喜んでもらえるような知識だったり、スキルだったり、趣味だったり、人脈を持つこと。

そうすることでコミュニティの中に居場所が見つかり、コミュニティにいる意味が生まれます。

お金を賢く使って、レアな自分を築く。

そうすることで、様々なコミュニティの仲間から、“懐かしい”存在でい続けることができます。

コミュニティの中で賞味期限を長く保つこともできる。

この周囲の人間が感じる(あなたに対する)“懐かしさ”こそが、あなた自信の幸福の源泉になるのです。

なぜなら、それこそが自分の存在価値だから。

自己を認められること、承認されることになるからです。

『人生の教科書「おかねとしあわせ」』とくま文庫