
ナポレオン・ヒルは「思考は現実化する」と言った。
だがじつは、本当の力は、「思考」の中の、「感謝」にある。
もしもあなたが今、過去のことをくよくよと思い悩み、うまくいかない現実しか見えなくなっているのなら、今すぐに考えるのをやめて、代わりに感謝をしてみよう。
「え?感謝?本気で言っているの?」
「何て言うか…それってありきたりじゃない?」
「今さら『感謝』とか言われても、当たり前すぎて…」
いいえ、ちょっと待ってほしい。
この本で言っている「感謝」は、そんな薄っぺらなものではない。
これを「猛烈な感謝」と呼んでもいいし、「見境のない感謝」と呼んでもいい。
とにかく、口だけの、甘ったるい、感傷的な「感謝」とは違う。
どういうことなのか説明しよう。
私たちの人生には、うまくいっていることが数え切れないくらいある。
しかしそれは、意識して見つけようとしないと、そして見つけたらすぐに感謝をしないと、頭の中にある意地悪な声にすべてかき消されてしまうのだ。
感謝する対象を見つけるのは、一種の「戦い」だ。
この戦いをやめると、頭の中の意地悪な声…「人生は最低だ」「自分は最低だ」などという声に、人生を占領されてしまう。
頭の中の意地悪な声は、ニュース番組の画面の下に流れているテロップのようなものだ。
放っておくと、いつまでも延々と流れている。
そして、ネガティブな声ばかり聞いていると、宇宙からのすばらしい贈り物が見えなくなってしまう。
この地球上の存在すること、今日という日を生きていること、人生という冒険を楽しんでいること…そのすべてが、宇宙からの贈り物だ。
それなのに、意地悪なウソの声…「人生は最低だ」「人生はつらい」…を信じてばかりいると、無限の可能性とつなりが断たれてしまう。
「感謝」するのは、けっして難しいことではない。
ただ、日々の生活で少し立ち止まり、絶対的な宇宙の存在を意識するだけでいい。
そうすれば、より深い真実に気づくことができる。
幸せな現実に気づくことができる。
宇宙の電波塔からは、いつでも喜びの音楽が静かに流れている。
その音は、耳を澄ましさえすれば、誰にだって聞こえる。
少し意識を変えるだけで、その音楽が聞こえるようになる。
『「感謝」で思考は現実になる』サンマーク出版
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