
自分のなかにないものと出合うっていうのは非常に大切です。
自分がもっているものだけからの判断によってまわりを見ていると、自分中心の狭い世界からしかものを見られなくなってしまいます。
そして、そういう狭い世界に留まり続けていることは、その人の可能性や能力を殺してしまうことになるんです。
いろいろなものを受け入れる能力をたくわえておけば、「驚き―――ワンダー(wonder)」は、死ぬまで起こり続けるでしょう。
インドのグルのなかでも非常に優れた人たちは、最大のワンダーは、「死」だって言うんですね。
死を怖がるのではなく、死がどんなにすばらしいものであるか見てやろうという好奇心。
まったくたいしたもので、到底まねのできないことですがね。
「センス・オブ・ワンダー」、つまり、ものごとに驚くマインドというものを持ち続けていれば、私たちは老化しない。
逆にいくら年が若くても、驚くことのできない人は、年寄りだと言ってもいい。
幼い子どもが驚きでいっぱいなのに接すると、つくづくすばらしいと思います。
センス・オブ・ワンダーというのは、意識的につくり出せるものではないし、教育などで与えるようなものでもない。
それは、言ってみれば神に与えられた能力なんですね。
神というと誤解を招きやすいんだけれど、何かそういった感じのことだと、僕らはとらえているんです。
私たちが今日、明日、あさって、と生きていくときに、ほんのちょっとでも驚きながら生きていければそれでいいんだ。
引用:アー・ユー・フリー?
加島 祥造 著
小学館
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