
「『お客さんを喜ばせる』んと、『お客さんが求めるものを、何も考えず与える』んはちゃうんやで」
ガネーシャは続けた。
「たとえば、子どもが『甘いものが欲しい』言うから甘いものを与え続けたら、その子どもは虫歯になったり、身体が丈夫になれへんかったりするやん。
それは長い目で見たらその子を喜ばせることになれへんやろ」
そしてガネーシャは言った。
「自分の仕事がほんまに人を喜ばせるためのものかどうかは、『そのサービスを自分の子どもに買ってほしいか』が一つの基準になるかもしれへんな。
もし自分の子どもに自分の売ってるものを買ってほしないなら、人を喜ばせるために仕事をしてへんかもしれへんで」
(なるほど・・・)
私はガネーシャの話に深く考えさせられた。
本当に相手のことを考えるとしたら、自分の売っているものでも「これ以上買ってはダメだよ」と言うべき場面もあるのかもしれない。
しかし、儲けを増やすことだけを考えていたら、そういう発想は生まれないだろう。
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夢をかなえるゾウ3
水野敬也 著
飛鳥新社
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