
「貴いのは足の裏である」坂村真民
貴いのは頭ではなく手ではなく 足の裏である
一生人に知られず 一生きたない処と接し
黙々として その務めを果たしてゆく
足の裏が教えるもの
しんみんよ
足の裏的な仕事をし 足の裏的な人間になれ
(詩集『鳥は飛ばねば鳴らぬ』・ぱるす出版)
■解説
これまでに、どれだけ多くの人が、この詩を繰り返し読みながら、自分を励ましてきたことでしょう。
大半の人間は人に知られることもなく、日々の仕事を真面目にこなし、家族を守り、精神的にも、経済的にもゆとりをもって一生を終えていくのです。
そういう足の裏的人たちのおかげで、私たちは毎日安全な暮しを送れるのです。
そのことが理解できれば、私たちも足の裏的人間に徹して、人生を堂々と生きていけるはずです。
「裏」に価値があることを忘れてはなりません。
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田中真澄の88話
田中真澄 著
ぱるす出版
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