
「人の悪口を言うのは、やめましょう」と子どものころから言われているのに、なかなかやめられない人は少なくありません。
人の悪口を言ってその人をおとしめると、そのぶん自分が偉くなった気がします。
しかし、それは錯覚です。
階段のそれぞれの段に人がいて、誰かを下の段に移動させたからと言って、自分が順送りに一段上がるわけではありません。
自分も他の人から悪口を言われているのに、他人の悪口を言って得意になっていれば「オメデタイ奴だ」と陰で笑われます。
悪口を言う人の中には、「みんなは知らないだろうけど、あいつはこんな奴だ」と自分の情報収集能力や分析力を自慢する人もいます。
そんなことを自慢げに話せば、相手は「私の悪口も他の誰かに言っているに違いない」と思うでしょう。
結果として自慢にもなっていませんし、信頼も失うことになります。
このように、悪口を言っても何もいいことはありません。
いいことがあるとすれば、かつての私のように陰で笑われて信頼を失ってはじめて、悪口を言わなくなることくらいでしょう。
悪口はやめましょうね。
_______
えんま様の格言
名取芳彦 著
永岡書店
![]() |