本当の友人とは?

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友人 いいため話
画像:http://publicdomainq.net

幼い頃、両親に捨てられ、施設で育った男の子がいました。

小さい頃から毎日、同じ洋服を着ていたので、「施設の子」などと言われて、いじめられていました。

小学校の頃には、同級生の家に遊びに行くと、いつも家の中から、「あの子と遊んじゃだめでしょう」と同級生を叱っている親の声が聞こえました。

このような毎日が続いていたので、この男の子はできるだけ人と接しないように生きることで、自分を守ることを覚えます。

高校に進学したとき、誰とも仲良くなれなかった男の子はクラスでいじめにあいます。

朝、学校に着くと机に「死ね」「貧乏神」「親無し」などの悪口が、数え切れないぐらい書かれていました。

その机を見た男の子は、呆然と立ち尽くしていました。

「僕は誰にも迷惑をかけないようにと思って、寂しくても一人で毎日を過ごしてきたのに・・・。どうしてこんなひどいことをされないといけないんだ・・・」と思って、生きているのが嫌になりました。

そのとき、同じクラスのA君がその机を抱え上げました。

男の子は、机で殴られるのかと思って目を閉じましたが、A君は、「行くよ」と言って、廊下に出ると、そのまま机を工作室に運んでいきました。

男の子は黙って、A君の後をついていきました。

A君は工作室につくと、紙やすりで机の落書きを消し始めました。

そして、「つまんないことに負けるなよ」と一言だけ言うと、黙々と落書きを消していきました。

「放課後、もう一回、ここでニスを塗ろう。そうしたら、元通りだ」と話すA君を見て、男の子は涙が出ました。

数年後、A君が結婚することを知った男の子は、「おめでとう。君がいなかったら今の僕はいない。恥ずかしくて面と向かっては言えないけど、幸せになって欲しい。そしてこれからも親友でいて欲しい。今まで本当にありがとう」と伝えました。

この男の子は、自分の味方になってくれる存在がいることに気がつくことで、生き方が変わったと思います。

A君のように本当に困っている人に対して、周りを恐れずに助けられる勇気が欲しいですね。

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大切な人に贈りたい24の物語

中山和義 著

フォレスト出版