
かつてブッダが、チュンダという名の修行僧に、こう語ったことがあります。
「間違った思い込み」を捨てるにはどうすればいいかという問いに、こう答えたのです。
「それではチュンダよ、このように考えて、自らを戒めよう。
荒々しい言葉を語る人もいるかもしれないが、わたしは荒々しい言葉を語らないように努力しよう。
自分の考えに囚われる人もいるかもしれないが、わたしは自分の考えに囚われないように心がけよう。
間違った理解や思考を手放せない人もいるかもしれないが、わたしは正しい理解と思考が身につくように頑張ろう。
見栄やプライドにこだわる人もいるかもしれないが、わたしは見栄やプライドから自由でいられるように精進しよう。
自分をよく見せたがる人もいるかもしれないが、わたしはありのままの自分で生きていくように努めよう」
ブッダの考え方のポイントは、「世間にはこういう人もいるかもしれないが、わたしはこうしよう」と、他人と自分との間にきっちりと線を引いていることです。
「人は人。自分は自分」という明確な境界線を引くのです。
この考え方ほど、大事なことはありません。
世の中はたしかに、判断好きな人がいます。
しかし、自分も同じことをする必要は、ありませんよね。
_______
反応しない練習
草薙 龍瞬 著
KADOKAWA
![]() |