
1960年代、元CIAエージェントのクリーヴ・バグスターは、植物が人間の意図を感知するということを発見して、一躍有名人になった。
1966年、CIAを退職したバグスターは、今日でも世界最大と認められている嘘発見業務を請けおう会社を設立した。
ある夜、ニューヨークのオフィスにいたバクスターは、観葉植物を嘘発見器につないでみようと思いつく。
最初はただの暇つぶしだった。
しかし、植物の葉を熱いコーヒーに入れたり、マッチで燃やしたりしてわかったのは、植物は熱いコーヒーやマッチの火といった物理的な刺激だけでなく、人間の思考や意図にも反応するということだった。
バクスターは大きなショックを受けた。
「通りに飛び出して、『植物は考えるんだ!』と世界に向かって叫びたい気分だった」と彼は言う。
しかし叫ぶ代わりに、バクスターは植物と思考の研究に没頭していった。
そして、高性能の嘘発見器を用いた実験によって、あらゆる種類の植物が、人間の思考と感情に反応するということを証明した。
バクスターは数十種類の植物を実験に使った。
私たちが普段食べているような植物だ。
彼の発見によると、植物は人間の耳には聞こえないような音にも反応し、人間の目には見えない赤外線や紫外線にも反応する。
1943年に亡くなったウィーンの生物学者、ラオウル・フランスは、複雑な実験器具がまだ存在しなかった時代から、この植物が持つ不思議な力に気づいていた。
自分のことしか考えていない人間がまったく気づいていない出来事や現象を、植物はつねに観察し、記録しているというのである。
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こうして、思考は現実になる
パム・グラウト 著
桜田 直美 訳
サンマーク出版
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