
最近、今を幸せに思えないという悩みをよく耳にします。
これから先どうなるか心配されていたり、嫌な思い出がどうしても忘れられないという方もいらっしゃるかと思います。
仏教では、過去や未来ではなく、今ここでの出来事に集中することが大切だと考えます。
たとえば、お釈迦さまはこんなことをおっしゃっています。
「もう終わったことをいつまでも考えたり、まだ起きていないことに悩んだりしないように。
過去はもう終わったことで、未来はまだ来ていないこと。
だから、今すべきことをよく見つめて、それに集中しなさい。
今日しなくてはいけないことを一生懸命やるのです。
明日死んでしまうとしても、そのことは誰にもわからないのです」
私たちはなぜ、未来や過去のことを考えるのでしょうか。
その理由はいろいろ考えられますが、究極的には「幸せになりたい」と願っているからではないでしょうか。
幸せになるためには、過去や未来の問題を解決しなくてはならない。でも、過去や未来のことは考えても考えても解決できない。
だからそのことが頭から離れないのです。
不安を解決して幸せになりたいと願うなら、過去や未来を変えようとするのではなく、そのことをどうしても考えてしまう今の気持ちに向き合いましょう。
現実は変えられませんが、そのことで悩んでいるあなたの気持ちは変えることができます。
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小さな心から抜け出すお坊さんの1日1分説法
彼岸寺 著
永岡書店
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