茂木健一郎「ステルス戦略」

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ドローン いいため話
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「ステルス」とは、戦闘機やミサイルの航行の際に、敵のレーダーを巧みに遮って、ひそかに進むことです。

皆さんも、何か目標がある時や、何かをやり抜こうとしている時に、それを周囲に公言するべきなのか、それとも黙ってこっそりやったほうがいいのかと、迷った経験はないでしょうか?

実際に、プレゼンテーションイベントのTEDで、アメリカの起業家デレク・シヴァーズさんが、『目標は人にいわずにおこう(Keep your goals to yourself)』というスピーチをしたほどで、彼は自分の経験から、他人に自分の目標を話してしまうと、その時点で満足感を得てしまって到達が難しくなると考えたそうです。

もちろん、個人のポリシーは人それぞれですし、性格や個人差もあるので一概にはいえません。

ただ、脳科学者として見解を述べるのであれば、目標を公言してしまうと、その公言自体が脳の報酬となってしまうため、それ以上成長を望むことができない場合があります。

なんとなくいい気分になってしまうと、人は満足します。

そして、それ以上の努力をしなくなってしまいます。

これは意志の強さの問題ではなく、脳のシステムに関わる問題だったのですね。

そこで、「やり抜く脳のステルス戦略」の出番となるのです。

ステルス戦略、つまりは誰にも察知されないようひそかに努力し、準備する。

喜びも、辛さも他人にいえず、ただじっと物陰に潜んでいるその時間は苦しいかもしれませんが、とにかく、一人で頑張ってみる(誰にも見せずに、自分の部屋に夢や目標を張り紙するのも、立派なステルス戦略のひとつです!)。

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やり抜く脳の鍛え方

茂木 健一郎 著

Gakken