
相手の欠点を見出し注意してやることも、友情の一つの大きな役目だと考えられているが、これは危険をはらんだ役目である。
それを行なうには非常に繊細な心づかいとやさしさが必要であるし、あまり頻繁にやってはいけない。
私は概して欠点を見つけ出し注意することが、友人たる者の務めだと信じてはいない。
なぜかといえば、相手が高貴な目標に立ち向かうのを支え、奮起を促し、さらに一所懸命、努力を重ねていく勇気を与えるのが友情だと思うからである。
家族の一人ひとりが互いに絶えず欠点をあげつらい責め立て合って、果たしてその家族が幸福だといえるだろうか。
そうはいえまい。
もし友人の成功を願っているなら、その友人が苦しんだり悩んだりしているときに勇気づけ、激励してやることこそ大切である。
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自分を鍛える!
ジョン・トッド 著
渡部 昇一 訳・解説
三笠書房
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