
三五年前、ジェニングス・ランドルフは、プラスアルファの働きによって恩恵を手にできるという、わたしの当校での卒業式告辞を聞いて感銘を受け、その内容に応じた生き方をしようとしました。
そして、この原則を守り、それをすべての人間関係に活かす意思をその場で表明したのです。
ジェニングス・ランドルフは成功者となり、彼の人脈は国中に広がっています。
それは彼が「人のために動けば、それはすべて自分自身のためになる、たとえ尽くした相手から見返りがなくても、必ずそれに見合った見返りが得られる」と気づいたからです。
エマーソンはこうも言いました。
「自分は騙されているかもしれないという愚かな思い込みに、人は死ぬまで苦しみ続ける。
しかし、物体が同時にあったりなかったりすることが不可能なように、人が自分自身以外の誰かに騙されることは不可能だ。
わたしたちが行う取引には、物言わぬ第三者が必ず立ち会っている。
物事の本質がどんな契約の履行をも保証してくれるので、誠実な働きが徒労に終わることはない。
感謝の念を持たない主人に仕えているなら、より一層尽くすことだ。
どんな仕事も必ず報われる。
その見返りを手にするのは遅ければ遅いほどいい。
この国では、支払いが長引けば元金に利息がかさんでいくのだから」
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伝説のスピーチ
ナポレオン・ヒル 著
田中 孝顕 訳
きこ書房
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