クリスマスに死のうと思った

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死ぬ いいため話
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22歳で結婚した俺は、嫁さんに幸せになってもらおうと、必死に働いた。

子供も2人生まれて、俺はもっと頑張った。

その甲斐あって、28歳で独立し、自分の会社を持つことが出来た。

33歳になった頃、普通よりはいい暮らしが出来ていたと思う。

嫁さんも子供も喜んでくれた。

だから、俺はもっともっと一生懸命働いて、会社を大きくすることを考えた。

しかし、

そのツケは、俺の身体に降りかかった・・・

35歳の時に癌が見つかり、闘病生活が始まった。

と同時に、会社の経営も傾いていった。

37歳のとき、

もう俺は死のうと思った・・・

こんな身体で、

こんな貧乏で、

でも何も出来ない自分が悔しくて、

身のまわりを少し整理して、

年が明けたら死のうって・・・

そんなことを考えていた年の瀬に、

嫁さんと子供がクリスマスパーティーを開いてくれた。

貧乏だから、ケーキの変わりにドラ焼きで、その上にローソク立てて、

小さいチキンもあって、

シャンパンの変わりにコーラで、

メリークリスマスって言っていた。

子供たちが楽しそうにはしゃいでいる姿を見たら、

なんだか泣けてきた。

(俺がいなくても元気でやれよ)

そう心の中で思っていた。

もう何回もこうやって遊べないから、おもいっきり遊んであげた。

そして、

子供たちが寝静まったあと、

思いもしないことが起きた・・・

嫁さんにこう言われたんだ。

「あなたがどう思っているか知らないけど、

私は今が一番しあわせよ」

俺はその言葉を聞いて、

真っ暗に見えた世界に光が差し、

「ありがとう、ありがとう、ありがとう・・・」

何度も言いながら、その場で泣き崩れた。

そのクリスマスの夜、

二度と死のうなんて思わないと決めた。

病気も経営も、闘ってからだと・・・

あれから5年、

癌はどこかへ消えてしまい、会社も順調。

今年のクリスマスは何をプレゼントしようかと悩めることも幸せなんだ。

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「魂が震える話—人がひとを想うということ」

ゆうけい 著

エイチエスより