
『純粋理性批判』などの著作で、哲学の認識論に転換をもたらしたカント。
彼は幼い頃から病弱で、十分に医者にもかかれず、17歳のときまで毎日「苦しい、苦しい」と言って過ごしていました。
ある医者が村にやってきたとき、カントは気休め半分で診察を受けましたが、医者はカントの顔を見てこう言いました。
「君の状態は気の毒だが、しかしそれは体だけのことだ。
つらい、苦しいと言うその口で心が健康なことを感謝することはできないかね。
心が健康なおかげでこれまで生きてくられたのだから」。
このアドバイスをきっかけに、カントは自分がこれまで不満ばかりを口にして、喜びを失っていたことに気づきました。
のちにカントは「苦しみこそが、活動の原動力である。活動の中にこそ、我々は生命を感じる」という言葉を残しています。
自分の感じる苦しみを、心の強さに変えていきましょう。
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人生はワンモアチャンス
水野敬也 著
長沼直樹 著
文響社より
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