
優秀なビジネスマン、プロのビジネスマンに「一番大切なもの」は何でしょうか?
国際感覚でしょうか?
景気動向を見極める洞察力でしょうか?
違います。
「人にどう思われるか」…これが一番大切です。
それを聞いた人たちは、目を丸くして仰天します。
私たちは、「自分のことを人がどう思うか」は気にするなと教えられて育ってきました。
他人の思惑、人目を気にするのは、軟弱な人間だと言い聞かされてきました。
ただ、それは「内実」というものが信じられた時代のことです。
現代は「内実」というハードウェアも大切だが、消費社会の世の中はソフトウエアのほうがより重んじられる時代なのです。
商品でも中身が同じなら、ときには中身が同じでなくても、ラップのきれいなほうが売れるのです。
ツキも運も、自分以外の他人が運んできてくれるからです。
つまり、どういうことかというと…
サラリーマンの中には、「一生懸命働いているのに会社が認めてくれない」とか、「上司がわかってくれない」とこぼす人がいます。
実力勝負のプロスポーツの世界でさえ、「首脳陣が評価してくれない」「監督に嫌われた」と訴える選手がいます。
明らかにツキと運に見放された人たちです。
なぜなら彼らは、「認めてもらえなければ、どんな才能も能力もないのと同じである」という真理に気づいていないからです。
もし本人が言うように、才能や能力があるのに、それを認めてもらえないとしたら、才能や能力がないために当然認めてもらえない人間より、さらにツイていないことになります。
ツキと運のない、次のような最悪の人間ということになるわけです。
1. 優秀なのに、優秀であると評判にならない人
2. まじめなのに、まじめであるという評判にならない人
3. 努力家なのに、努力家だという評判が立たない人
4. 能力があるのに、ツキのある人に好かれない人
5. 頑張っているのに、運のある人に好かれない人
6. 正しいことを主張しているのに、相手に理解されない人
誤解を恐れずに言ってしまえば、「実際に優秀であること」より、「あいつは優秀だと思われること」のほうが大事なのです。
実際に努力家であるより、努力家だという評価のほうが大切であり、実際に能力があるより、能力がある人間だという評判のほうが重要なのです。
なぜならば「あの人は成功しそうだと思われること」が、ツキや運を得る必須条件になるからです。
ツキや運とは他人が運んできてくれるものです。
どんなに優秀であっても、どんなに努力家でも、またどんなにすごい能力があっても、そう認められない人間のところに、わざわざツキを運んでくる人はいません。
だから、自分に運がないのは、「監督や首脳陣、上司、会社のせいだ」と考えるのは間違いなのです。
「自分のイメージ」がすべての原因なのです。
したがって、「自分はツイていない」「運がない」と思う人は、姓名判断で運勢を改善しようなどと考える前に、まず人目を気にすべきなのです。
「他人の目に自分がどう映っているか」を検証すべきなのです。
自分のイメージの悪い点に早く気づき、イメージデザインを早急に変えなかればなりません。
『ツキの大原則』知的生き方文庫
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