
どうでしょう。
親が「すぐ、すぐ!」ばかりを求めていないでしょうか?
「すぐ答える」「すぐにできるようになる」そして、「そうならないのはおかしい」と思っていないでしょうか?
もしそのように子どもに接してきたのなら、その価値観を内面化した子どもは「やっても、すぐにできない自分はおかしいんだ」と、とらえるようになりますよね。
そして、「能力がないんだ」「もうやってもだめだ」などという認識につながっても、おかしくはないですね。
(中略)
将棋には「長考(ちょうこう)」という言葉があります。
次の一手に何時間も考えを巡らせます。
将棋も初心者のうちは「長考」ができません。
考える要素が少ないからです。
さっさと、思慮不足の手を打つしかない。
だから弱いのですね。
ゴルフのパターでもそうです。
一流のプロはいろいろな方向から芝目や傾斜が読めます。
だから、「即座」イコール「よいこと」では決してありません。
この例のように、すぐに答えが出ない子は、即座に反応した子より、考える要素が多いからということもある、と認識しておくことは大切です。
親が子の成長を奪ってしまうことにならないために。
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「悩んでいた母親が一瞬で救われた 子育ての話」
平 光雄 著
致知出版社より
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