悪口を最も優雅に受け止めるには

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悪口を受け止める

ツイッターなどSNSの影響があるのかもしれませんが、なにかと攻撃的な物言いをしてくる人がいます。

非難や皮肉を織り交ぜて、人格攻撃をしてくるような人です。

酒の席なら席を立てばいいですし、ツイッターで知らない人に絡まれたら黙ってブロックしてしまえばいいでしょう。

しかし、会社の同僚や学校の同級生、ママ友など、なかなか簡単に環境を変えられない場合も多々あります。

一方、これもツイッターの影響があるかもしれませんが、攻撃的な物言いに対して、それ以上に攻撃的になることに「カッコいい」と憧れを持つような人がいます。

いわゆる「論破」というやつです。

そういうのって、本当にくだらないからやめたほうがいいと思います。

『相手から、あまりしつこく口論を吹っかけられた場合には、屹(き)っとなって相手の顔を見つめ、やがて静かに、君も淋しい男だね、とこう言え』

この言葉は太宰治の「新ハムレット」より、宰相ポローニアスが息子のレアティーズに遊学の心得を説く場面のものです。

学友と週に一度は酒を飲め、議論は自分から吹っかけてはいけない、末席で周囲の議論をうなずきながら聞くのが望ましい…などなど、今でも通用するようなコミュニケーションのテクニックを息子に伝えるポローニアス。

酒の席でしつこく口論を吹っかけられたとき、最後の手段として教えたのが冒頭の言葉です。

「いかな論客でも、ぐにゃぐにゃになる」と効果のほどを語っています。

ただし、ポローニアスは「なるべくならば笑って柳に風と受け流すのが上乗(じょうじょう)」とも言っています。

そう、別に言い返さなくてもいいんですよ。

古代ギリシャの哲学者、ソクラテスがある日アテネの街を歩いていたとき、突然後ろから大きな棒で背中を叩く者がいました。

しかし、ソクラテスは平然と何事もなかったかのように歩いていきました。

その様子を見ていた人が驚いて、

「どうしてあなたはあいつを叩き返さないのか?」

と聞いたところ、ソクラテスが笑って答えたのがこの言葉です。

「ロバがあなたを蹴ったとき、あなたは足を上げてロバを蹴り返しますか?」

誰かに攻撃されたとき、相手にしないのは、けっして「弱いから」というわけではありません。

実際、ソクラテスは重装歩兵として従軍していたぐらいですから、相手を叩きのめすなんてわけはなかったはずです。

それでもくだらない人の相手をしなかったのは、自分も同じレベルに落ちてしまうから。

腹が立つ気持ちはよくわかりますが、相手はロバなんだと思って落ち着きましょう。

「悪口を最も優雅に受け止めるには、無視すればいい。

それができなければ凌駕する。

それが無理なら笑いとばす。

もしも笑えないとなったら、その悪口は真実だと思った方がいい」

アメリカの作家、ラッセル・ラインズの言葉です。

相手の悪口にも、ひっとしたら一片の真実が含まれているかもしれません。

一度、冷静になって見つめ直してみるといいでしょう。

場合によっては、相手の悪口が自分を成長させるきっかけになる可能性があるのです。

最後の言葉は、ドイツの医者であり、神学者でもあったシュヴァイツァーのもの。

「ああ、これ、私のことだ」と思った人、その人はきっと人生で得をしていると思いますよ。

口論がうまい人よりも、ずっとずっと。

『幸せとは、健康で記憶力が悪いということだ』(アルベルト・シュバイツァー)

『「がんばれ!」でがんばれない人のための“意外”な名言集』ワニブックス