
ヨーロッパの中世末期、盛んに使われていたのが「メメント・モリ(mementomori)」という言葉だった。
これはラテン語で「いつか自分が死ぬことを忘れるな」の意味。
「死を記憶せよ」などともいわれ、最近では音楽や小説、美術などのテーマやモチーフなどにも使われてきた。
「生きることとは何か?」とは「死ぬこととは何か?」を知ることでもあると私は思っている。
キリスト教的な宗教観が絡んでくると、この言葉は「天国・地獄・魂」の救済と色濃く結びついてくるので、ここではあえて言及しない。
「死」の本質を問うには、私はあまりにも知識と感性を持ち合わせていないという理由もある。
ただ、生きていくための動機として、死を見つめることは意義のあることだと考えている。
ところが、「死」を考えることはできても、その答えを出すことはできない。
「死」とは「生ではないもの」としかいいようがなく、ようは「生と死」とは、「ある」か「ない」かの世界だ。
引用:超一流の二流をめざせ
長倉顕太 著
サンマーク出版
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